銀行と信用金庫は、お金のやりとりに関わるけれど、実はその目的や役割、メリット・デメリットが少し違います。銀行は株主の利益を追求する営利法人で、全国に支店を持ち、大きな資金を扱うことが得意です。一方、信用金庫は地域の会員のための非営利法人で、会員同士の助け合いを重視し、地域に密着して中小企業をサポートすることが主な目的です。
銀行の一番の強みは、大きなお金の動きをスムーズにサポートできることです。たとえば、数十億円といった大規模な融資にも対応でき、状況が良ければ低金利でお金を貸してもらえる可能性があります。また、全国規模で支店があるため、地域を越えてビジネスを展開する際にも頼りになる存在です。ただし、銀行には利益を追求する姿勢が強いため、必要のない融資をすすめたり、ノルマのために顧客に不要な商品を売りつけることもある点には注意が必要です。特に、コロナ融資などで不良債権が増えるリスクもあり、これが銀行の経営に影響する可能性があります。
一方、信用金庫は地域に密着して、中小企業や個人のニーズに寄り添うサービスを提供します。信用金庫の良いところは、顧客の利益を第一に考え、必要のない商品を無理に売りつけない姿勢です。特に、経営が苦しい時でもサポートしてくれることが多く、会員同士の助け合い精神が根付いているのが特徴です。ただし、銀行と比べると金利が高くなる傾向があります。リスクを取る分、リターンも求められるため、信用金庫での借り入れは少し割高になることもあるのです。
銀行や信用金庫とうまく付き合うには、まず会社の財務状況を示す「決算書」をきちんと整えることが大切です。金融機関からの信頼を得るためには、良い決算書を作成し、経営計画書で将来のビジョンを示すことが求められます。ただ過去の実績だけを伝えるのではなく、未来に向けてどんなビジネスを目指しているかをはっきり示すことが重要です。また、定期的に金融機関とコミュニケーションを取り、会社の現状や計画を説明することも欠かせません。担当者が変わることもあるため、そのたびに丁寧に状況を伝えることが信頼関係を築くカギとなります。
それでは詳しく見ていきましょう。
1. 銀行と信用金庫の違い
- 銀行の目的
銀行は株主の利益を追求する営利法人です。利益を出すことが最優先であり、株主に還元する義務があります。一般の株式会社として運営され、全国的に広範囲な取引が可能です。 - 信用金庫の目的
信用金庫は会員の利益を追求する非営利法人で、会員が出資者となり、地域社会に貢献することを重視しています。特定のエリア内での地域密着型の活動を行い、会員のためのサービスを提供します。
2. 銀行のメリット
- 大口案件への対応
銀行は数十億円単位の大口融資に対応する能力があります。 - 低金利での融資
会社の状況が良ければ、低金利で融資を受けられます。大規模な銀行ほど融資利率が低くなる傾向があります。 - 全国的な対応エリア
全国に支店を持ち、広範囲にわたって取引が可能です。地域を超えたビジネス展開をサポートします。
3. 信用金庫のメリット
- 中小企業への寄り添い
信用金庫は中小企業に親密なサポートを提供し、小規模な企業でも取引しやすい環境を整えています。 - 不要な提案をしない
信用金庫は会員に対して必要のない商品を売り付けず、会員の利益を優先します。 - 厳しい状況での支援
会員が厳しい状況にある場合、助けてくれる可能性が高く、会員同士の助け合いの精神が根付いています。
4. 銀行と信用金庫との上手な付き合い方
- 決算書の重要性
決算書を磨くことで金融機関からの信頼を得ることができます。良好な決算書は低金利融資の可能性を高めます。 - 経営計画書の作成
将来性を示すために経営計画書をしっかり作成し、過去の実績だけでなく未来のビジョンを示すことが重要です。 - 定期的な報告とコミュニケーション
定期的に金融機関と会い、会社の状況を報告し、担当者が変わることを考慮しながら丁寧に説明することが必要です。
5. 銀行と信用金庫のデメリット
- 銀行のリスク
銀行は利益追求のため、必要のない融資を行うことがあり、コロナ融資などで不良債権が増加し、経営に影響を与える可能性があります。 - 信用金庫の金利
信用金庫は銀行よりも金利が高くなる傾向があります。リスクを取る分、リターンも求められるため、金利が上昇します。 - 不要な商品販売の問題(銀行)
銀行はノルマに基づいて不要な商品を販売することがあり、顧客の利益を無視する場合があります。
銀行は全国規模で大きなビジネスを展開する際に便利ですが、利益優先のため不必要な商品を勧めてくるリスクがあります。一方、信用金庫は地域に根ざし、中小企業のニーズに合わせたサポートを提供するものの、金利が少し高いことがネックです。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせて選び、上手に付き合うことが大切です。