役員賞与を利用した社会保険料削減スキーム

節税・経費

役員報酬の設定や借入を活用して、会社の社会保険料の負担を軽減する方法について解説します。

役員報酬の基本的な考え方

役員報酬は、会社の役員に支払われる給与のことで、通常の経費とは扱いが異なります。利益操作を防ぐための規制があるため、役員報酬を経費として損金扱いにするためには「事前確定届出」を行う必要があります。この届出では、いつ、誰に、いくらを支払うかを明記し、決算確定日から1ヶ月以内に提出する必要があります。届出に基づいて支払うことで初めて、特例が適用され、経費として認められます。

  • 役員賞与とは
    • 役員に支払われる報酬のこと。
    • 経費として認められない場合が多い。
    • 利益操作を防ぐための規制がある。
  • 経費としての取り扱い
    • 役員賞与は通常、損金として認められない。
    • 決算直前の支払いは認められない。
    • 事前確定届け出を行うことで特例が適用される。
  • 事前確定届け出の手続き
    • いつ、誰に、いくら支払うかを明記する必要がある。
    • 提出期限は決算確定日から1ヶ月以内。
    • 提出内容に従って支払わなければならない。

社会保険料の削減方法

社会保険料は、健康保険や厚生年金の合計額により決まり、役員報酬が高ければ高くなる傾向があります。したがって、役員報酬を低く設定することが社会保険料削減の鍵となります。具体的には、月々の報酬を6万3,000円未満に設定することで、最適な削減効果が期待できます。例えば、報酬を月額6万円に設定すると、社会保険料が大幅に減少し、年間を通じて大きな削減につながります。

さらに、役員賞与に報酬を寄せることで社会保険料を抑える方法もあります。ただし、役員報酬には上限があるため、一定額以上では保険料に変動がなくなるため、適切な設定が求められます。削減効果を最大限に引き出すためには、具体的な計算例を参考にすることが重要です。

  • 社会保険料の計算
    • 月々の報酬が高いと社会保険料も高くなる。
    • 健康保険と厚生年金の合計が影響する。
    • 役員報酬を下げることで保険料を削減できる。
  • 最適な報酬額
    • 月々の報酬を6万3000円未満に設定するのが最適。
    • 具体的な例として、報酬を6万円に下げると社会保険料が大幅に減少。
    • 年間での削減額が大きくなる。
  • 賞与への寄せ方
    • 役員賞与を増やすことで社会保険料を削減。
    • 役員賞与の上限があるため、一定額以上は保険料が変わらない。
    • 具体的な計算例を用いて理解を深める。

メリットとデメリット

この社会保険料削減スキームにはいくつかのメリットとデメリットがあります。

  • メリット
    • 社会保険料の負担が軽減される。
    • 会社と個人の両方でコスト削減が可能。
    • 高額医療費制度の自己負担額が低くなる可能性がある。
  • デメリット
    • 月々の報酬が低くなることで、手当が減少する。
    • 退職金の査定に影響を与える可能性がある。
    • 怪我や出産時の手当が減少するリスクがある。
  • 生活費の問題

役員報酬を6万円程度に設定した場合、多くのケースで生活費が不足します。この不足分を補う方法として「会社からの借入」が挙げられます。借入金を生活費に充てる際は、決算書に影響を与えないように適切に管理することが重要です。また、借入金の返済は決算日までに行い、銀行の評価を維持する必要があります。決算書に借入金が直接載らないよう工夫することで、会社の資金流出を避け、銀行からの信頼を損なわないようにすることも大切です。

  • 月6万円では生活が困難な場合が多い。
  • 借入を利用して生活費を補填する方法がある。
  • 借入金は決算書に影響を与えないように管理する必要がある。

借入の活用方法

借入を活用することで、役員報酬が低くても生活の安定を図ることが可能です。社会保険料削減と借入を組み合わせることで、経済的に余裕を持つことができます。ただし、生活費の管理や長期的な資金計画が欠かせません。会社の経営状況や個人の生活環境に合わせて最適な報酬額や借入金額を設定し、バランスの取れた資金管理を行うことが必要です。

  • 会社からの借入
    • 会社からの借入を利用して生活費を補う。
    • 借入金は返済計画を立てて管理する。
    • 返済は決算日までに行うことで銀行評価を維持。
  • 銀行評価への影響
    • 借入金が決算書に載らないようにすることが重要。
    • 会社の資金流出を避けるための工夫が必要。
    • 銀行からの信頼を維持するための注意点。
  • 生活の安定化
    • 借入を利用することで生活の安定を図る。
    • 社会保険料削減と借入を組み合わせることで、経済的な余裕を持つ。
    • 生活費の管理と資金計画が重要になる。

まとめ

役員賞与を活用した社会保険料削減は、効果的な節税方法の一つですが、事前確定届出や適切な報酬設定が必要です。税理士の中では、今回紹介したスキームに渋い顔をする税理士も居ます。

税理士にも様々なレベルがあり、選び方を間違えると後悔することがあります。
経験豊富で信頼できる税理士は、節税対策や財務戦略に詳しく、経営に大きなメリットをもたらします。
一方で、知識が浅い、または事務的な対応に終始する税理士も存在します。
適切な税理士を選ぶためには、実績や対応力、信頼性をしっかりと見極めることが重要です。

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