小規模企業共済の活用法と節税効果

個人事業主と会社役員の利用条件

小規模企業共済は、個人事業主や中小企業の経営者が将来のために資金を積み立てる制度です。毎月積み立てた掛け金は、将来、退職金として受け取ることができます。

小規模企業共済を利用できるのは、個人事業主や会社の役員の方々です。利用の条件として、従業員数が20人以下（業種によっては50人以下）という制限があります。

ただし、一度加入すれば、会社が大きくなっても脱退する必要はありません。長期間の利用を続けることで、さらに多くのメリットを享受できます。

小規模企業共済のメリット

この制度の一番のメリットは節税効果です。

たとえば、所得が300万円の人が年間84万円を積み立てた場合、約16万9800円もの節税が可能になります。また、所得が高いほど節税額は増えます。所得600万円なら約25万5600円、2000万円なら約42万円の節税効果が見込まれます。このように、積み立てる金額や所得に応じて節税効果を得られるのが、小規模企業共済の魅力です。

貸付制度の活用

共済のもう一つのメリットは、積み立てたお金の一部を借りられる「貸付制度」です。

積み立てた掛け金の7割から9割を借りることができ、例えば84万円積み立てていれば、そのうち67万2000円を借りることができます。このときの利息は年1.5%で、延滞しなければこの低利率が適用されます。
また、借りたお金の返済期間が終わるときに更新手続きをすれば、さらに返済期間を延長することもできます。急に資金が必要になったときにも、この貸付制度を活用できるのは大きな安心材料です。

退職金としての受け取り

そして、退職時にはこれまで積み立てた掛け金に利息を加えて受け取ることができます。例えば、10年間積み立てていれば、約900万円を受け取れるケースもあります。このとき、退職所得控除という税金の優遇措置が適用されるので、受け取った金額の一部は非課税となります。たとえば、900万円を受け取る場合、まず400万円が控除されるため、残りの500万円に対してだけ税金がかかります。これによって、将来の資金を効率的に確保することができます。

• 退職時の資金の流れ
  • 退職時には、積み立てた掛け金が戻ってくるとともに、利息も加算されます。例えば、10年後には900万円を受け取ることができます。
• 税金の優遇措置
  • 退職所得控除が適用されるため、受け取った金額の一部に対して税金が軽減されます。例えば、900万円を受け取る場合、400万円が控除され、残りの500万円に対して税金がかかることになります。

資産運用の重要性

さらに、この共済の魅力を活かすために「資産運用」を考えてみましょう。共済から借りた資金を他の資産運用に回すことで、さらに利益を得ることが可能です。例えば、借りたお金を年利6.5%で運用すれば、借入時の利息1.5%を差し引いてもプラスになります。このように、節税効果と資産運用を組み合わせることで、資産を効率的に増やすことができます。また、貸付制度を利用して多くの資金を運用に回せるため、資産形成のチャンスが広がります。