元金返済ゼロの「短期継続融資」とは

節税・経費

短期継続融資の概要

短期継続融資(たんきけいぞくゆうし)は、企業や事業者が日常的な運転資金の確保や、急な資金ニーズに対応するために金融機関から借り入れる短期間の融資です。

この融資は、通常、1年以内の返済期間が設定されているため、長期的な設備投資や大規模なプロジェクト資金よりも、事業のキャッシュフローを安定させる目的で利用されます。

短期継続融資の特徴は、元金を返済せずに利息だけを支払えば良いという点です。
通常の融資だと、借りたお金を少しずつ返していく必要がありますが、短期継続融資では利息だけを支払い続けることで、元金の返済を先延ばしにすることができます。

    短期継続融資とは

    • 元金の返済が不要で、利息のみの支払いで済む融資のことです。
    • 融資の更新が可能で、元金を返済せずに融資を継続できます。
    • 中小企業の資金繰りを改善するための制度です。

    また、1年ごとに融資を更新することで、返済をしなくても資金の利用を続けられるのが大きなメリットです。中小企業にとって、急な出費や運転資金不足といった資金繰りの悩みはつきものですが、この融資はそうした問題の解消に役立ちます。

    利用のメリット

    • 資金繰りが楽になり、事業運営の安定化に寄与します。
    • 事業の成長に合わせて、融資額を増やすことができます。
    • 銀行からの借入れが比較的容易です。

    運転資金の重要性

      運転資金とは何でしょうか。運転資金とは、会社が日常的な業務を進めるために必要な資金のことを指します。
      具体的には、売掛金(売上でまだ回収できていないお金)や在庫を保つための費用、取引先に支払う買掛金などです。これらのバランスをうまく保つことが、事業の安定運営には欠かせません。

      運転資金とは

      • 企業が日常的に必要とする資金のこと
      • 運転資金 = 売掛金 + 在庫 ー 掛金

      例えば、売上が1000万円あっても、仕入れに400万円かかるとすると、実際に使える運転資金は600万円になります。運転資金が不足していると、ビジネスが円滑に回らなくなり、場合によっては事業が止まってしまうこともあります。短期継続融資は、こうした運転資金不足を解消するための強い味方です。

      短期継続融資の仕組み

        短期継続融資の仕組みとしては、まず企業がどのくらいの運転資金が必要かを計算し、銀行に融資を申請します。銀行がその融資を承認すると、資金が企業に提供されます。このとき、支払うのは利息だけで、元金の返済は求められません。

          融資の流れ

          • 企業は必要な運転資金を計算し、必要額を融資申請します。
          • 銀行が融資を承認し、企業に資金が提供されます。
          • 利息のみを支払い、元金は返済しません。

          そして1年後に融資を更新するときに、改めて必要な金額を設定することができます。事業が順調に成長している場合、必要な運転資金も増えるため、次の融資で金額を増やすことも可能です。こうした仕組みにより、事業の成長に合わせて資金を調整できるのが短期継続融資の強みです。

            短期継続融資更新のプロセス

            • 1年後に融資の更新を行い、必要に応じて新たな融資額を設定できます。
            • 事業成長に応じて融資額を増やすことも可能です。

            銀行との関係構築

              ただし、この融資を活用するためには、銀行との信頼関係が非常に重要です。特に、企業の状況をよく理解しているメインバンク(主に利用する銀行)との連携が鍵になります。メインバンクは、企業の財務状況や事業の進捗を把握しているため、短期継続融資の提案を受けやすい傾向があります。

              メインバンクとの連携

              • メインバンクは企業の状況をよく理解しており、短期継続融資の提案を受けやすいです。
              • メインバンクとの信頼関係が重要になります。

              また、サブバンク(他に利用する銀行)から融資を受けるのは難しい場合もありますが、可能性が全くないわけではありません。メインバンクとサブバンクを上手に使い分けることで、より良い資金調達が可能になります。

              サブバンクの利用

              • サブバンクからの融資は難しい場合が多いですが、可能性がゼロではありません。
              • メインバンクとサブバンクの使い分けが鍵となります。

              短期継続融資の活用事例

              実際の活用事例として、例えば売上が1500万円に増加した場合、運転資金もそれに伴って増えるため、さらなる融資が必要になります。

              こうした成長に合わせて、短期継続融資を利用して資金繰りを改善し、新たな融資額を設定することが可能です。これにより、事業の成長を支える資金を確保することができ、企業は安心してビジネスを展開できます。