「最近、ニュースで『106万円の壁がなくなる』って聞いたけど、どういうこと?」
「パートの働き方が変わるって本当?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、パート・アルバライターの働き方に大きく関わる「106万円の壁」が、事実上撤廃されるという衝撃的なニュースが飛び込んできました。
これは、パートで働く主婦(主夫)の方だけでなく、パートタイマーを雇用する中小企業の経営者にとっても、他人事では済まされない大問題です。
なぜなら、この変更によってパートタイマーの手取りが約15%も減り、会社の負担も一気に増える可能性があるからです。
この記事では、「106万円の壁」撤廃の真相と、私たちの生活に与える影響について解説していきます。
そもそも「106万円の壁」とは?
まず、おさらいです。「106万円の壁」とは、パート・アルバイトの方の年収が106万円を超えると、社会保険への加入が義務付けられるボーダーラインのことでした。
具体的には、以下の4つの要件すべてに当てはまる場合、社会保険に加入する必要がありました。
- 従業員数が51人以上の会社で働いている
- 週20時間以上働いている
- 年間の給与が106万円以上(月収88,000円以上)
- 学生ではない
この壁があるために、多くのパートタイマーは「働き損」を避けるため、年末になると勤務時間を調整する「働き控え」を行っていました。
【どう変わる?】「106万円の壁」撤廃の衝撃的な中身
では、今回の変更で何が変わるのでしょうか?結論から言うと、上記の4要件のうち、2つが撤廃されることになります。
【撤廃される要件】
- 従業員数が51人以上の会社
- 年間の給与が106万円以上
つまり、今後は会社の規模や年収に関わらず、「週20時間以上働く、学生ではない人」は、ほぼ全員が社会保険に加入しなければならなくなるのです。
この制度変更は、早ければ2〜3年以内にスタートする可能性が高いと言われています。
手取り15%減!家計と会社を直撃する深刻な影響
この「106万円の壁」撤廃は、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?
① パートタイマーの手取りが約15%激減!
社会保険に加入するということは、給料から社会保険料(年金・健康保険)が天引きされるということです。その負担額は、給料の**約15%**にもなります。
例えば、年収120万円で働くパートタイマーの場合…
120万円 × 15% = 18万円
なんと、年間で18万円も手取りが減ってしまう計算になります。政府は「手取りを増やす」という名目で所得税の壁を引き上げる動きを見せていますが、今回の変更は社会保険の負担を増やし、結果的に手取りを減らすことにつながるため、矛盾した政策だと指摘する声もあります。
② 中小企業の負担も15%増え、倒産ラッシュの危機
負担が増えるのは従業員だけではありません。企業も社会保険料の半分(約15%)を負担しなければなりません。
これまで社会保険料の負担がなかったパートタイマーを多く雇用していた中小企業にとって、この人件費の増加は経営を直撃する大きな痛手です。資金繰りが厳しい企業では、倒産に追い込まれるケースが増えることも懸念されます。パートタイマーの手取りが15%減る一方で、会社の負担も15%増えるため、双方にとって厳しい状況になると言えるでしょう。
私たちはどうすればいい?考えられる対策
この厳しい状況に対し、どのような対策が考えられるでしょうか。
- 働く時間を「週19時間」に抑える
社会保険の加入要件が「週20時間以上」になるため、その手前の19時間で働くように調整する人が増える可能性があります。 - 掛け持ちで働く
1社あたりの労働時間を週20時間未満に抑え、複数の会社で働くという選択肢もあります。
しかし、これらの対策は結局のところ「働き控え」を助長し、企業の人手不足をさらに深刻化させる可能性があります。企業側も、社会保険の負担を避けるために、学生アルバイトの採用を増やすなど、雇用戦略の見直しを迫られるでしょう。
まとめ:私たちの生活はどうなる?今後の課題とは
今回の「106万円の壁」撤廃は、一見すると分かりやすくなったように見えますが、その実態は国民の生活を圧迫し、企業の経営を苦しめる可能性がある、課題の多い制度変更と言えます。
- 税金(財務省)と社会保険(厚生労働省)の管轄が違うため、国民目線での一貫した政策が打ち出せていないという指摘があります。
- 物価高騰で国民が苦しむ中で、さらなる負担を強いることになります。
- 「将来もらえる年金が増える」と言われても、その将来が信用できないという声も少なくありません。
国民からは、まず国の無駄遣いを見直し、納得できる説明をした上で負担を求めるべきだという意見も出ています。
この問題は、私たちの生活に直結する非常に重要なテーマです。まずはこの現状を正しく理解し、今後の動向を注視していく必要があります。