法人保険と税金の関係

NISA・保険

法人保険には「定期保険」と「終身保険」の2つがあります。定期保険は掛け捨てタイプで、毎年支払う保険料を全額経費にすることができます。キャッシュフローの改善にもつながるため、資金を有効に使いたい会社にはメリットが大きいです。一方で、保険金が支払われた場合、その全額が利益として計上され、法人税の対象になります。法人税は約33%なので、たとえば1億円の保険金を受け取った場合、3,300万円が税金としてかかります。

終身保険は積立型で、保険料は経費にできませんが、資産として扱われます。長期間の積立が必要で、保険金を受け取った際には積立額を引いた差額が利益として計上されます。したがって、終身保険は税金の負担が大きくなる可能性があります。

また、保険金を受け取った場合の税金についても触れておきます。法人が保険金を受け取り、その後、遺族に退職金として支払う場合、退職金は遺族の相続財産となり、相続税がかかる可能性があります。この点も考慮しておく必要があります。

さらに、会社が借金をしている場合、その借金の1.5倍の保険をかけるのが一般的におすすめされます。たとえば、1億円の借金があるなら、1.5億円の保険をかけることで、税金を引いた後でも借金を返済するのに十分な金額を確保できます。これは、会社の経営者が亡くなった際に、残された人たちが借金の負担を感じずに済むようにするためです。

養老保険についても知っておくべきことがあります。養老保険は積立と保証がセットになっていますが、保険料が高額になることがあります。また、社員全員を対象にしないと解約が難しく、業績が悪化したときに解約できないリスクもあるので、慎重に検討する必要があります。

最後に、保険契約をする際には受取人の設定が重要です。受取人を法人に設定することで、税金の負担を軽減することができます。また、社長が亡くなった場合に保険金が直接遺族に支払われない仕組みを理解しておくことも大切です。定期保険の経費処理を適切に行うことで税金対策をする一方、終身保険は資産として扱われるため経費に計上できない点にも注意が必要です。

それでは詳しく見ていきましょう。

1. 保険の種類

  • 定期保険終身保険の2種類に分類されます。
    • 定期保険は掛け捨て型で、保険料は全額経費にできます。
    • 終身保険は積立型で、経費にはならず資産として扱われます。
    • 解約返戻金の有無によって税務処理が異なります。

2. 定期保険の特徴

  • 保険金が支払われた場合、その全額が利益として計上されます。
  • 毎年の保険料が経費として計上できるため、キャッシュフローの改善が期待できます。

3. 終身保険の特徴

  • 保険金から積立額を引いた差額が利益となります。
  • 長期間の積立が必要であり、税金の負担が大きくなる可能性があります。

4. 保険金受取時の税金

  • 法人税は利益に対して約33%が課税されます。
  • 定期保険の場合、受け取った保険金がそのまま利益となります。
    • 具体例として、1億円の定期保険を受け取った場合、約3,300万円の税金がかかります。
  • 終身保険の場合、積立額を引いた残りに対して税金が課されます。

5. 遺族への影響

  • 保険金は法人が受け取り、遺族には退職金として支払われます。
  • 退職金は相続財産となり、相続税がかかる場合があります。

6. 借金と保険の関係

  • 会社の借金がある場合、借金の1.5倍の保険をかけることが推奨されます。
    • たとえば、借金が1億円の場合、1.5億円の保険をかけることが推奨されます。
    • これは保険金から税金を引いた後でも、借金を返済できる金額を確保するためです。
  • 社長が亡くなった場合に残された者に負担をかけず、借金の返済を確実にするための資金を準備することが重要です。

7. 養老保険の問題点

  • 養老保険は積立と保証がセットになっているため、保険料が高額になる可能性があります。
  • 社員全員を対象にしないと解約が難しいという特徴があります。
  • リスクとデメリットとして、社員が増えると保険料が増加し、資金繰りが厳しくなり、業績が悪化した際に解約できないリスクがあります。

8. 保険契約の注意点

  • 契約時の受取人設定:受取人を法人に設定することで、税金の負担を軽減できます。また、社長の死亡時に遺族に直接支払われない仕組みを理解することが重要です。
  • 経費処理の重要性:定期保険の経費処理を適切に行うことで、税金対策が可能です。一方、終身保険は資産として扱われるため、経費計上ができません。