経営者目線「社員の給与や社会保険料を削減しつつ、会社の利益を最大化する方法」

節税・経費

今回は、経営者目線で「社員の給与や社会保険料を削減しつつ、会社の利益を最大化する方法」について解説します。


1. 残業代を抑える方法

従業員にとって残業代は、基本給よりも割増率が高く、収入を増やす手段として重視されています。一方で、会社側にとってはこの割増賃金が負担となるため、合法的に残業代を抑える方法を模索する必要があります。

(1) 基礎賃金を減らす

残業代の計算は、基礎賃金を基に算出されます。この基礎賃金には基本給が大きく関わっています。そのため、以下のような工夫を行うことで残業代を削減することが可能です。

  • 基本給を減額し、手当を増やす
    例として、基本給24万円の従業員の給与を21万円に減らし、代わりに住宅手当3万円を付け加えると、基礎賃金が下がります。これにより、月々の残業代が約7000円減少し、年間で約8万円削減できます。
  • 月給を減らし、賞与を増やす
    月々の給与を減らして賞与を増やすことで、基礎賃金を抑え、残業代を抑制します。

(2) 管理職にする

管理職には、労働時間の制約や残業代が適用されないため、残業代を抑える手段として有効です。ただし、「名ばかり管理職」(実際は管理職の権限がないケース)は労働基準法違反に当たるため、注意が必要です。

(3) 業務委託契約に切り替える

雇用契約を業務委託契約に切り替えることで、労働法や残業代の規定が適用されなくなります。さらに、業務委託への支払いは消費税の控除対象になるため、会社にとって税務上も有利です。ただし、形式だけの「名ばかり業務委託」は違法となるため、慎重な運用が求められます。


2. 社会保険料を削減する方法

社会保険料は、給与額に基づいて算出され、会社と従業員が半分ずつ負担します。この負担額を削減することは、会社にとっても従業員にとってもメリットがあります。

(1) 4~6月の給与を抑える

社会保険料は、毎年4~6月に支払われた給与の平均額(標準報酬月額)を基に決定されます。この時期に残業を抑えたり、給与の昇給を7月以降に延期したりすることで、1年間の社会保険料を削減することが可能です。

(2) 確定拠出年金や確定給付年金を活用する

従業員に企業型確定拠出年金(DC)や確定給付年金(DB)を導入することで、給与額を減らし、社会保険料を削減できます。これにより、従業員の将来の年金額を増やしつつ、会社としてもコストを抑えることができます。


3. 社宅制度を活用した給与削減

社宅制度のメリット

会社が社員に代わって住宅を借り上げることで、給与の一部を家賃に変換し、社会保険料や税金の負担を軽減することができます。

具体例を挙げると、以下のような仕組みです:

  1. 社員の給与を27万円から19万円に減額する。
  2. 減額分の一部(例:8万円)を会社が直接大家に支払い、社員に家賃負担2万円を求める。
  3. 結果的に、社会保険料や税金が減額され、社員の手取りが増える。

このように、社宅制度を利用すると、社員にとっても手取りが増えるメリットがあります。ただし、基本給が減少することで、将来の年金額が減るリスクや、住宅ローン審査が厳しくなる可能性がある点に注意が必要です。


本当に会社も社員もWin-Winなのか?

会社が人件費を削減することで得られるメリットは多いですが、従業員にとっては長期的なリスクも伴います。例えば、基本給を下げることで将来受け取れる年金が減少したり、住宅ローンの審査が厳しくなったりする可能性があります。

一方で、短期的には手取りの増加や税金負担の軽減といったメリットもあります。そのため、こうした施策を導入する際は、社員との十分な説明と合意形成が欠かせません


まとめ

本記事では、経営者目線で給与や社会保険料を削減する方法を紹介しました。これらの施策は、短期的には会社と社員双方にメリットがあるように見えますが、長期的には従業員にリスクが発生する場合もあります。

経営者へのアドバイス

  • コスト削減策を導入する際は、従業員との十分なコミュニケーションを図り、理解を得ることが大切です。

従業員へのアドバイス

  • 自分の給与や福利厚生の仕組みを理解し、長期的なリスクとメリットを把握することが重要です。