簿記知識が無い人がfreee会計を使った時に躓く箇所とは?【マイクロ法人向け】

法人を設立すると、個人事業主の時には必要なかった法人独自の会計業務が発生します。マイクロ法人の経営者の多くは、経理・会計もすべて自分で行わざるを得ないため、会計ソフトであるfreee会計が便利です。しかし、簿記の知識がないと、独特の会計用語や法人特有の処理に戸惑うことも多々あります。ここでは、マイクロ法人を運営する簿記初心者の方がfreee会計を使ったときに躓きやすいポイントや、解決策についてご紹介します。


1. 法人特有の勘定科目が分かりにくい

■ 躓きポイント
マイクロ法人を設立すると、経費の扱いや給与の処理など、個人事業にはない法人特有の勘定科目が必要になります。例えば、「役員報酬」「預り金」「貸付金」など、法人会計に特有の項目を使用する場面が多くなります。freeeの自動仕訳機能を使っていても、特定の取引にどの勘定科目を使うべきかがわからず、戸惑うことがあります。

■ 解決策
freee会計では「質問形式」で仕訳が作成されるため、画面の案内に従いながら、法人取引に合わせた勘定科目を選ぶことが可能です。特に、役員報酬や税金支払いなど、法人特有の経理処理に対応したヘルプページもあるため、まずは公式ガイドを参照し、迷った時はfreeeのサポート機能も活用しましょう。また、少しずつ勘定科目に慣れるためにも、基礎的な法人会計の本を読むことも役立ちます。


2. 役員報酬の処理

■ 躓きポイント
マイクロ法人の場合、経営者が「役員報酬」を受け取る形になりますが、これが個人事業でいう「給与」とは異なるため、簿記知識がないと混乱しやすいです。役員報酬の仕訳や、毎月の計上方法などのルールが分からず、どのようにfreeeで処理すべきか戸惑う方も多いでしょう。

■ 解決策
役員報酬の設定や処理については、freeeの「給与計算機能」を利用するとスムーズです。役員報酬としての金額を設定すると、毎月同じ金額を自動で計上できるため、役員報酬の処理も簡単に行えます。また、役員報酬に関する税務上のルールや社会保険の取り扱いも複雑なため、不明点が多い場合はfreeeのサポートや税理士に相談しておくと安心です。


3. 税金関連の処理がわからない

■ 躓きポイント
法人として活動を始めると、法人税や消費税、住民税、源泉徴収税など、さまざまな税金の申告や納付が必要です。特に、消費税の処理や源泉徴収の管理、法人税の計上は、簿記知識がない方には難解です。freeeでは税金の支払いを管理できるものの、処理方法がわからず躓くポイントになりがちです。

■ 解決策
freee会計では、税金支払いを記録する際に、どの税金に対応するかの質問が表示されるため、質問に沿って処理することで正しい仕訳が登録できます。消費税に関しても、自動で計算される機能があるため、通常の取引を「課税」「非課税」などの対象区分に分けて入力していけば、自動で税額を算出してくれます。不安がある場合は、税金に関するfreeeのガイドページや、専門家のサポートを活用すると安心です。


4. 法人口座の自動連携と未分類取引の処理

■ 躓きポイント
freeeでは、法人口座や法人クレジットカードを連携することで、日々の取引を自動取得し、入力作業を省けます。しかし、取引が複数のカテゴリにまたがる場合や、仕訳に適した勘定科目がわからない場合、未分類取引がたまり、処理に迷うことがあります。

■ 解決策
未分類の取引が増えると作業効率が下がるため、freeeの「未分類取引」リストから、こまめに取引内容を確認し、分類することを習慣にしましょう。また、似たような取引が多い場合、取引ルールを設定することで自動仕訳の精度を上げ、仕訳ミスを防ぐことができます。迷った際にはfreeeの自動仕訳の提案を活用し、少しずつ勘定科目の選択に慣れるようにすると良いでしょう。


5. 貸借対照表や損益計算書の見方がわからない

■ 躓きポイント
法人になると決算が必要になり、freeeで貸借対照表や損益計算書などのレポートが自動生成されますが、これらの財務諸表の見方がわからない方も多いです。特に「売上」「経費」「資産」「負債」などの意味が曖昧だと、会社の状況を把握することが難しくなります。

■ 解決策
freeeの「レポート」機能はわかりやすいよう視覚化されているため、まずは全体の「収支レポート」を確認し、収入と支出のバランスを見てみましょう。また、売上や経費を大まかに把握することで損益計算書や貸借対照表の見方も少しずつ理解できるようになります。freeeのヘルプページでは財務諸表の見方に関する説明も用意されているため、参考にしながら慣れていくのが良いでしょう。


6. 年末調整や決算処理の複雑さ

■ 躓きポイント
法人の場合、年末調整や決算処理が発生します。マイクロ法人では自分一人の調整ではあるものの、年末調整の書類作成や決算での処理は複雑で、初心者にとっては負担が大きい部分です。

■ 解決策
freeeの「年末調整機能」や「決算書類作成ガイド」を利用すると、ステップごとに説明が表示され、作業が進めやすくなります。ガイドを参考にしながら、疑問点が出た際にはヘルプページや専門家のサポートを活用して、確実に処理を行うようにしましょう。


7. 仕訳の頻度と日々の経理業務の管理

■ 躓きポイント
法人を運営すると日々の取引が多くなるため、仕訳をこまめに行う必要が出てきます。簿記に慣れていない場合、取引が溜まるとどこから手をつけて良いかわからなくなり、経理業務が後回しになりがちです。

■ 解決策
freeeでは、取引内容に応じて仕訳を定期的に自動で提案してくれるため、取引ルールを設定し、日々の処理を習慣化することが重要です。さらに、1週間に1回はfreeeを確認し、未分類の取引を処理するなど、こまめに確認しておくと後で負担が減ります。毎月の作業量を減らすために、データ入力や仕訳確認を定期的に行うことが大切です。


8. 税務署や役所向け書類の作成方法がわからない

■ 躓きポイント
法人では、税務署や役所に提出する書類の作成が頻繁に求められます。freee会計では、法人税や消費税の申告書も自動作成できるものの、会計や簿記の知識がないとそれらの書類が指す内容が理解しにくい場合があります。

■ 解決策
freeeでは法人税申告の作成手順を簡単にガイドしてくれるため、ガイドに沿って進めるのが最もスムーズです。不明点が多い場合は、税理士に確認をお願いすることも検討してみましょう。freeeのサポートでは、税理士のサポートプランもあり、相談できる環境を整えると安心です。


まとめ

マイクロ法人の運営者にとって、簿記知識がなくてもfreee会計は大きな助けとなるソフトですが、法人特有の処理や会計特有の仕訳に戸惑うことも多くあります。freeeのヘルプページやサポート、ガイド機能を活用しながら少しずつ理解を深めていくことで、日々の経理業務や決算作業も負担を減らしていけるでしょう。