【最強の節税術】法人と個人事業主の「二刀流」で税金と社会保険料を劇的に安くする方法

法人設立

「会社の利益が増えてきたけど、法人税の負担が重くて手元にお金が残らない…」
「個人事業主として順調だけど、このまま売上が増えると、税金と社会保険料が怖い…」
「法人化すべきか、個人事業主のままでいるべきか、究極の選択に悩んでいる」

事業を営む経営者であれば、誰もが一度は「税金」と「社会保険料」という、二つの大きなコストの壁に直面するのではないでしょうか。利益を追求すればするほど、その負担は雪だるま式に増えていき、会社の成長を阻む足かせとなりかねません。

しかし、もし、法人と個人事業主、両方の「良いとこ取り」をすることで、この負担を合法的に、かつ劇的に軽減できる方法があるとしたら、あなたはその方法を知りたいと思いませんか?

それが、一部の賢い経営者が実践している、究極の節税スキーム 「法人と個人事業主の二刀流(デュアルキャリア)」 です。

この記事では、数多くの企業の財務戦略をサポートしてきた専門家の視点から、この 「二刀流」 という働き方が、

  • なぜ、これほどまでに強力な節税効果を生み出すのか?
  • 所得税、法人税、消費税、そして社会保険料という、あらゆる負担をどうやって最適化するのか?
  • 倒産防止共済や補助金、銀行融資といった、事業の成長に不可欠な制度を、いかに二重に活用するのか?
  • そして、この戦略を実践する上でのデメリットと、注意すべき管理方法とは何か?

といった点を、具体的なテクニックとともに、徹底的に、そして分かりやすく解説します。

この記事は、単なる節税テクニックの紹介ではありません。それは、 国の制度を正しく理解し、それを最大限に活用することで、あなたの会社の利益と、あなた個人の資産を、合法的に守り抜くための「戦略的思考法」 を学ぶためのものです。この記事が、あなたの会社の財務を、新たなステージへと引き上げるきっかけとなることを願っています。

なぜ「二刀流」は、これほどまでに強力なのか?その基本原理

まず、なぜ一人の人間が「法人(の社長)」と「個人事業主」という、二つの顔を持つだけで、これほどのメリットが生まれるのでしょうか。

その根本原理は、 「所得の分散」「制度の使い分け」 にあります。

日本の税制や社会保険制度は、法人と個人事業主とで、それぞれ異なるルールや税率、優遇措置が設けられています。

「二刀流」とは、この異なるルールを意図的に組み合わせ、それぞれの「おいしい部分」だけを最大限に活用することで、一つの形態で事業を行うよりも、トータルでの手残りを最大化しよう、という戦略なのです。

例えば、

  • 利益が出やすい事業は、税率が一定の「法人」で行う。
  • 社会保険料の負担を抑えたい部分は、「個人事業主」として行う。
  • 消費税の免税メリットを最大限に活かすため、売上を両者に「分散」させる。

このように、事業の性質や目的に応じて、法人と個人の役割を使い分ける。これが、「二刀流」節税術の基本的な考え方です。

「二刀流」がもたらす、7つの具体的な節税・財務メリット

それでは、法人と個人事業主の二刀流を実践することで得られる、7つの具体的なメリットを、一つずつ詳しく見ていきましょう。

メリット①:所得の分散による「所得税・法人税」の最適化

これが、最も基本的な節税メリットです。
所得税は、所得が高くなるほど税率も上がる「累進課税(最大45%)」ですが、法人税は、所得800万円を超えると、ほぼ一定の税率(約23%~33%)となります。

【二刀流の活用法】
大きな利益が見込まれる事業を、一つの法人や個人事業だけで行うと、高い税率が適用されてしまいます。
そこで、事業内容に応じて、法人と個人事業主の両方に、利益が分散するように事業を設計します。

例えば、同じIT関連の事業であっても、

  • 法人:Webサイト制作やシステム開発といった、利益率の高いストック型の事業を行う。
  • 個人事業主:Webコンサルティングや単発のセミナーといった、利益が変動しやすいスポット型の事業を行う。

といった形で、役割を分担します。
これにより、それぞれの所得が一定額に抑えられ、高い累進税率が適用されるのを回避し、トータルでの税負担を最小限に抑えることができるのです。

メリッ-ト②:売上の分散による「消費税」の完全コントロール

消費税には、 基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下の場合、消費税の納税が免除される「免税事業者」 という制度があります。

【二刀流の活用法】
もし、あなたの事業の売上が1,500万円になったとします。一つの事業体で行っていれば、1,000万円を超えるため、課税事業者となり、消費税を納める義務が発生します。

しかし、これを法人と個人事業主に、うまく分散させたらどうなるでしょうか。

  • 法人:売上800万円
  • 個人事業主:売上700万円

この場合、 法人も個人事業主も、それぞれが売上1,000万円以下の「免税事業者」 となり、消費税の納税義務が、どちらにも発生しない、という状況を作り出すことが可能になるのです。

さらに、もし課税事業者になったとしても、売上が5,000万円以下であれば、納税額を大幅に軽減できる 「簡易課税制度」 を選択できます。この制度を、法人と個人事業主で戦略的に使い分けることで、消費税の負担をさらにコントロールすることが可能になります。

メリット③:社会保険料の負担を劇的に軽減する

経営者にとって、税金と同じくらい重い負担が 「社会保険料」 です。役員報酬を高くすればするほど、その約30%(会社負担分と個人負担分の合計)が、社会保険料として徴収されます。

【二刀流の活用法】
この負担を軽減するための、究極のテクニックがここにあります。

  1. 法人での役員報酬は、社会保険料が最低ランクになる、ごく少額(例:月額6万円など)に設定します。
    → これにより、法人側で支払う社会保険料は、最小限に抑えられます。
  2. 生活に必要な資金の大部分は、個人事業主としての事業所得から得ます。
    → 個人事業主の「事業所得」には、社会保険料がかかりません。(別途、国民健康保険と国民年金への加入は必要ですが、高額な厚生年金・健康保険料に比べれば、負担は格段に軽くなります)

つまり、社会保険料がかかる「給与所得」を最小限に抑え、社会保険料がかからない「事業所得」を最大化することで、全体の社会保険料負担を劇的に削減することができるのです。これは、二刀流戦略における、最も強力なメリットの一つと言えるでしょう。

メリット④:「倒産防止共済(経営セーフティ共済)」を二重に活用

倒産防止共済は、取引先の倒産に備えるための制度で、支払った掛金(最大で月20万円、年間240万円)を、全額経費(損金)にできる、非常に節税効果の高い制度です。

【二刀流の活用法】
この倒産防止共済は、法人と個人事業主、それぞれで加入することが可能です。

つまり、

  • 法人:年間最大240万円を経費に
  • 個人事業主:年間最大240万円を経費に

と、合計で年間最大480万円もの金額を経費計上できる、強力な節税の武器を手に入れることができるのです。

ただし、注意点もあります。解約時に戻ってくるお金(解約手当金)は、その年の利益として課税されます。特に個人事業主の場合、高額な解約金を受け取ると、高い累進課税が適用されるリスクがあるため、個人の共済は、掛金を少額に抑えて運用するのが賢明です。

メリット⑤:「補助金」の受給チャンスが2倍になる

国や地方自治体が提供する、返済不要の「補助金」。これも、事業を成長させる上で、非常に重要な資金調達手段です。

【二刀流の活用法】
補助金の中には、法人と個人事業主、それぞれが別個の事業者として申請できるものが存在します。

例えば、小規模な事業者の販路開拓を支援する 「小規模事業者持続化補助金」 などが、その代表例です。

  • 法人:ホームページ制作のために、補助金を申請する。
  • 個人事業主:チラシや広告出稿のために、補助金を申請する。

といった形で、一つの事業体で申請するよりも、2倍の補助金を受け取れる可能性が生まれるのです。これにより、資金調達の選択肢と可能性が、大きく広がります。

メリット⑥:「銀行融資」の枠が2倍になる

事業資金の調達において、最も基本となるのが 「銀行融-資」 です。

【二刀流の活用法】
銀行は、融資の審査を、法人と個人事業主、それぞれを別個の事業体として行います。そのため、

  • 法人:A銀行とB信用金庫から、融資を受ける。
  • 個人事業主:C信用組合とD銀行から、融資を受ける。

といった形で、利用できる融資枠そのものを、実質的に2倍に増やすことが可能になります。これは、大規模な設備投資など、まとまった資金が必要な際に、非常に大きなアドバンテージとなります。

メリット⑦:自宅関連の「経費」を最大化する

自宅を事務所として利用している場合、その家賃や水道光熱費、通信費などを経費として計上できますが、その範囲には限界があります。

【二刀流の活用法】
経費計上の幅を、さらに広げることができます。

  • 法人:自宅を、法人名義で 「社宅」 として借り上げる契約を結ぶ。
    → こうすることで、家賃の大部分(場合によっては8~9割)を、法人の経費として計上することが可能になります。
  • 個人事業主:社宅として法人に貸している自宅の一部を、さらに個人事業の事務所として使用する。
    → これにより、水道光熱費やインターネット回線などの費用を、個人事業の経費として按分計上できます。

このように、一つの自宅を、法人と個人の両面から経費計上することで、節税効果を最大化することができるのです。

デメリットと管理の手間:二刀流を実践する上での注意点

もちろん、この二刀流戦略には、メリットばかりではありません。実践する上では、いくつかのデメリットと、注意すべき点があります。

  • 管理の複雑化:法人と個人の両方の経理処理、そして確定申告が必要になるため、事務的な手間は確実に増えます。
  • 税理士費用の増加:申告が2つになるため、税理士に依頼する場合の費用も、当然ながら増加します。
  • 事業の実態:法人と個人事業で、それぞれが独立した事業として、明確な実態があることが大前提です。単なる税金逃れのための、実態のないペーパーカンパニーと見なされれば、税務調査で厳しく指摘されるリスクがあります。

これらの手間やコストは、確かに負担となります。しかし、これまで述べてきた7つの絶大なメリットを考えれば、その負担を補って余りあるリターンが得られるケースが、ほとんどであると言えるでしょう。

まとめ:二刀流は、経営者の知恵と戦略の証

今回は、法人と個人事業主という、二つの顔を使い分けることで、税金と社会保険料の負担を劇的に軽減する、「二刀流」という究極の節税戦略について解説しました。

  • 二刀流の基本は、「所得の分散」と「制度の使い分け」にあります。
  • 所得税、法人税、消費税、社会保険料という、あらゆる負担を、両者の「良いとこ取り」をすることで最適化します。
  • 倒産防止共済や補助金、銀行融資といった、事業成長のための制度も、二重に活用できる可能性があります。
  • 管理の手間やコストは増えますが、それを上回る絶大なメリットを享受できる、極めて強力な戦略です。

この「二刀流」戦略は、誰にでもできる簡単なテクニックではありません。それは、日本の複雑な税制や社会保険制度を深く理解し、そのルールの中で、いかに自らの手残りを最大化するかを考える、経営者の「知恵」と「戦略」の証なのです。

あなたの事業が成長し、税金の負担が重くなってきたと感じたら、ぜひ、この「法人と個人事業主の二刀流」という選択肢を、あなたの会社の新たな戦略として、検討してみてはいかがでしょうか。

その一歩が、あなたの会社と、あなた自身の資産を、未来永劫守り続けるための、最も賢明な道筋となるかもしれません。

最後までお読みいただくありがとうございました。この記事があなたの経営の一助になれば幸いです。