【永久保存版】会社の「お金の不安」が消える!誰でも作れる「資金繰り表」の作り方と使い方

節税・経費

「売上は上がっているはずなのに、なぜか手元にお金が残らない…」
「毎月の支払いのたびに、口座の残高を見てヒヤヒヤしている…」
「将来、資金ショートしないか不安で、夜も眠れない…」

会社の経営者であれば、誰もが一度はこのような「お金の不安」に苛まれた経験があるのではないでしょうか。どんなに素晴らしい事業を展開していても、会社のお金の流れ、すなわち 「キャッシュフロー」 を正しく把握できていなければ、経営は常に 불안정한 綱渡りの状態になってしまいます。

では、どうすればこの漠然としたお金の不安から解放され、心に余裕を持って経営に集中できるようになるのでしょうか。

その答えは、たった一つ。「資金繰り表」を作成し、活用することです。

この記事では、これまで1万社以上の企業の黒字経営を指導してきた専門家の視点から、 あなたの会社のお金の流れを「見える化」し、将来のお金の不安を解消するための最強のツール「資金繰り表」 について、その重要性から、誰でも簡単に作れる具体的な作成手順、そして会社の健康状態を診断するための分析方法まで、徹底的に解説します。

この記事を最後までお読みいただくことで、あなたは以下の知識と具体的なアクションプランを手に入れることができます。

  • なぜ「資金繰り表」を作成するだけで、経営者のお金の不安が劇的に解消されるのか、その理由がわかります。
  • 会計上の「利益」と、手元に残る「現金(キャッシュ)」がなぜズレるのか、その根本的な仕組みを理解できます。
  • 会社のキャッシュフローが3つの要素(経常収支・投資収支・財務収支)で構成されていることを学べます。
  • 具体的なテンプレートを元に、誰でも簡単に自社の資金繰り表を作成できるようになります。
  • 作成した資金繰り表から、自社が「成長期」なのか「危険な状態」なのか、その健康状態を診断する方法を知ることができます。

資金繰り表の作成は、難しい会計知識は必要ありません。必要なのは、自社の数字と真摯に向き合う覚悟だけです。この記事をきっかけに、あなたも「キャッシュリッチ」な経営者への第一歩を踏み出しましょう。

(※この記事の解説と合わせて活用できる 「資金繰り表テンプレート(Excel)」 を、記事の後半でご紹介するLINE公式アカウントで無料プレゼントしています。ぜひテンプレートをダウンロードし、お手元で確認しながらお読みいただくと、より理解が深まります。)

なぜ「資金繰り表」があれば、お金の不安から解放されるのか?

なぜ、たった一枚の表が、経営者の心をあれほどまでに蝕む「お金の不安」を解消してくれるのでしょうか。

その理由は、 「未来のお金の動きが、予測可能になるから」 です。

お金の不安の正体は、「不確実性」です。「来月、支払いは大丈夫だろうか」「半年後、会社にお金は残っているだろうか」といった、 「どうなるか分からない」 という状態が、私たちを不安にさせるのです。

しかし、資金繰り表を作成すると、この「分からない」が「分かる」に変わります。

資金繰り表は、過去のお金の流れを記録するだけでなく、将来の入出金の「予定」を書き込んでいくことで、数ヶ月先、場合によっては1年以上先の未来の現金残高を予測することができます。

例えば、資金繰り表を作成した結果、「3ヶ月後に、会社の現金が100万円マイナスになる」という未来が予測できたとします。

これを知らないままでいれば、3ヶ月後に突然資金ショートに陥り、パニックになるでしょう。しかし、事前にその事実が分かっていれば、パニックになる必要はありません。

考えるべきことは、「どうしよう…」という漠然とした不安ではなく、 「3ヶ月後までに、不足する100万円をどうやって作るか?」 という、 具体的で前向きな「対策」 に変わるのです。

  • 銀行に融資の相談をする
  • 売上を前倒しで回収できないか交渉する
  • 不要な経費を削減する

このように、打つべき手は明確です。未来が見えるからこそ、先手を打って行動できる。これが、資金繰り表がもたらす最大の精神的な安定効果なのです。

実際に、キャッシュリッチな優良企業の経営者は、例外なくこの資金繰り表を自ら作成し、会社の財務状況を常に把握しています。中には、3年先までの資金繰り予定を1円単位で緻密に管理している経営者もいるほどです。

資金繰り表の構造:3つのキャッシュフローを理解しよう

それでは、資金繰り表の具体的な構造について解説していきます。資金繰り表は、会社のお金の流れを、以下の3つの活動に分類して捉えます。これは、上場企業が作成を義務付けられている「キャッシュフロー計算書」の考え方と同じです。

① 経常収支(営業キャッシュフロー):本業の稼ぐ力

これは、会社の本業の事業活動によって、どれだけのお金が出入りしたかを示す、最も重要な項目です。

  • 収入(プラス):売上の入金、売掛金の回収など
  • 支出(マイナス):仕入代金の支払い、人件費、家賃、水道光熱費などの経費の支払い

この経常収支の合計がプラスであることは、 「本業でしっかりと現金を稼げている」 ことを意味し、健全な経営の絶対条件です。

② 投資収支(投資キャッシュフロー):未来への投資活動

これは、会社の将来の成長のための投資活動によって、お金がどう動いたかを示す項目です。

  • 収入(プラス):不要になった機械や車両、有価証券などを売却して得た現金
  • 支出(マイナス):新しい機械や設備の購入、事務所の内装工事などへの支払い

成長を目指す会社は、本業で稼いだ現金を、積極的に設備投資などに回すため、この項目はマイナスになるのが一般的です。投資収支がマイナスであることは、未来に向けて前向きな投資を行っている証であり、決して悪いことではありません。

③ 財務収支(財務キャッシュフロー):資金調達と返済の活動

これは、資金の調達や返済に関するお金の動きを示す項目です。

  • 収入(プラス):銀行などからお金を借り入れた(融資を受けた)
  • 支出(マイナス):借入金を返済した

借入をすればプラスに、返済をすればマイナスになります。この項目も、プラスかマイナスかだけで良し悪しを判断できるものではありません。

資金繰り表の作り方【テンプレート解説】

それでは、実際に資金繰り表を作成する手順を見ていきましょう。お手元のテンプレート(Excelシート)と見比べながら読み進めてください。

【作成のポイント】
資金繰り表は、会計上の「発生主義」ではなく、実際にお金が入金・出金されたタイミングで数字を記録する 「現金主義」 で作成します。これが、損益計算書(P/L)との大きな違いです。

  1. 月初の現金残高を記入する
    一番上の「月初繰越残高」に、その月の初め時点での、会社のすべての現金・預金の合計残高を記入します。
  2. 経常収入を記入する
    その月に入金が予定されている売上代金や、回収予定の売掛金などを、項目別に記入します。売上を計上した月ではなく、実際に入金される月に記入するのがポイントです。
  3. 経常支出を記入する
    その月に支払いが予定されている仕入代金、人件費、家賃、その他経費などを、項目別に記入します。これも、請求書が届いた月ではなく、実際に支払いを行う月に記入します。
  4. 投資収支を記入する
    設備投資の支払いや、資産売却による入金など、予定されている投資活動に関するお金の動きを記入します。
  5. 財務収支を記入する
    銀行からの借入金の返済予定額(これは返済予定表を見れば分かります)や、新規融資の入金予定などを記入します。
  6. 各収支と残高を計算する
    テンプレートはExcelで作成されているため、各項目に数字を入力すれば、以下の項目は自動で計算されるようになっています。
    • 経常収支合計:本業での現金の増減
    • 合計収支:経常・投資・財務をすべて合計した、その月のトータルの現金の増減
    • 次月繰越残高:月初残高に合計収支を加減算した、その月の末日時点での現金残高

この作業を、過去の実績と、未来の予定(最低でも6ヶ月~1年先まで)について行っていきます。これで、あなたの会社の資金繰り表は完成です。

資金繰り表から会社の「健康状態」を診断する方法

資金繰り表が完成したら、次はその数字を読み解き、自社の「健康状態」を診断してみましょう。見るべきポイントは2つあります。

チェックポイント①:「経常収支」は、年間トータルでプラスか?

単月で見れば、大きな仕入れなどで経常収支がマイナスになる月もあるかもしれません。しかし、1年間の合計で見たときに、この経常収支がプラスになっているかどうかは、非常に重要です。

もし、年間の経常収支がマイナスなのであれば、それは 「本業で現金を稼げていない」 という危険信号です。事業の根本的な見直しが必要な状態と言えます。

チェックポイント②:「次月繰越残高」が、一度もマイナスになっていないか?

こちらの方が、より致命的なチェックポイントです。資金繰り表の一番下の行である 「次月繰越残高」は、どの月においても、絶対にプラスでなければなりません。

もし、どこか一月でもこの残高がマイナスになっている予定があれば、それはその時点で会社が「資金ショート」、つまり倒産することを意味しています。

実際の現預金残高がマイナスになることはあり得ません。そんな資金繰り予定表を銀行に提出すれば、「この会社は倒産します」と宣言しているようなものであり、融資を受けられるはずがありません。

この次月繰越残高が、すべての月でプラスを維持できているか。これこそが、資金繰り管理の最低限の絶対条件です。

【応用編】キャッシュフローパターンで会社のステージを知る

さらに、経常・投資・財務の3つのキャッシュフローの「プラス・マイナス」の組み合わせを見ることで、あなたの会社が今、どのような成長ステージにあるのかを把握することができます。

【最も理想的な「優良企業」のパターン】

  • 経常(営業)CFプラス
  • 投資CFマイナス
  • 財務CFマイナス

これは、 「本業でしっかり現金を稼ぎ(プラス)、その利益を将来のために積極的に投資し(マイナス)、過去の借金も着実に返済している(マイナス)」 という、非常に健全で成長性のある状態を示しています。

【最も危険な「倒産寸前」のパターン】

  • 経常(営業)CFマイナス
  • 投資CFプラス
  • 財務CFマイナス

これは、 「本業では現金を生み出せず(マイナス)、その穴埋めのために会社の資産を切り売りし(プラス)、銀行からも見放されて借金も返済せざるを得ない(マイナス)」 という、極めて危険な状態です。会社の体力を食いつぶしながら、倒産へと向かっているパターンと言えます。

このように、3つのキャッシュフローの組み合わせを分析することで、自社の経営状態を客観的に診断し、次の一手を考えるための重要な示唆を得ることができるのです。

まとめ:お金の流れを制する者が、経営を制す

今回は、経営者のお金の不安を解消し、キャッシュリッチな会社を目指すための最強のツール「資金繰り表」について、その作り方から使い方までを詳しく解説しました。

  • 資金繰り表は、未来のお金の動きを「見える化」し、漠然とした不安を具体的な「対策」に変えてくれます。
  • 会社のキャッシュフローは、「経常収支」「投資収支」「財務収支」の3つで構成されています。
  • 会計上の利益と、実際のお金の流れはズレるため、必ず「現金主義」で作成することが重要です。
  • 完成した資金繰り表では、「経常収支が年間でプラスか」「繰越残高が常にプラスか」を必ずチェックしましょう。
  • 3つのキャッシュフローの組み合わせを分析することで、自社の成長ステージや健康状態を客観的に診断できます。

資金繰り表の作成は、最初は少し面倒に感じるかもしれません。しかし、一度作り方を覚えてしまえば、これほど経営の役に立ち、経営者の心を安定させてくれるツールは他にありません。

「キャッシュリッチ企業になりたければ、まずはお金の流れを把握しろ」

これは、経営における不変の真理です。ぜひ、この記事でご紹介したテンプレートを活用し、まずは自社の資金繰り表を作成するという「行動」から始めてみてください。その一歩が、あなたをお金の不安から解放し、会社の未来を明るく照らす、確かな光となるはずです。

最後までお読みいただくありがとうございました。この記事があなたの経営の一助になれば幸いです。