【社長必見】その税理士との関係、大丈夫?会社を潰すNG経営者の特徴と、最強のパートナーシップを築く秘訣

確定申告・税務調査

「税理士との関係は、会社の成長に大きくつながってくる」
「税理士との関係性が悪化したことで、潰れた会社もある」

多くの経営者にとって、税理士は単なる「税務申告の代行業者」という認識かもしれません。しかし、実は税理士との関係性の質は、会社の資金繰り、節税効果、ひいては事業の存続そのものに、計り知れないほど大きな影響を及ぼします。

経営者と税理士、お互いがプロフェッショナルとして信頼し合い、強固なパートナーシップを築くことができれば、会社は大きく飛躍する可能性を秘めています。しかし、その関係がこじれてしまうと、本来得られるはずだった有益なアドバイスやサポートを受けられず、気づかないうちに会社が危険な状態に陥ってしまうことも少なくありません。

この記事では、まず、税理士が「この経営者とは付き合いたくない」と感じてしまう、典型的な7つのNGな経営者の特徴を挙げ、なぜそれが問題なのかを解説します。その上で、会社の成長を加速させるために、経営者が税理士とどのように向き合い、最強のパートナーシップを築いていくべきか、その具体的な方法と心構えについて、徹底的に解説していきます。

税理士が敬遠する経営者の7つの特徴:あなたは当てはまっていませんか?

税理士も人間であり、一人のビジネスパートナーです。良好な関係を築くためには、相手が何を嫌がるのかを知ることが第一歩です。以下に挙げる特徴に心当たりがある場合、あなたの会社は、税理士の能力を最大限に引き出せていない可能性があります。

1. 「脱税思考」が根付いている

  • 概要:
    「バレなければいい」「みんなやっているから」といった安易な考えで、売上を隠蔽したり、架空の経費を計上したりといった、明らかな不正行為(脱税)を税理士に相談、あるいは強要しようとする経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 税理士の資格剥奪リスク: 税理士は、国の法律に基づいて税務を行う国家資格者です。脱税に加担したり、不正な申告書を作成したりすれば、懲戒処分を受け、最悪の場合、資格を剥奪される可能性があります。
    • 信頼関係の崩壊: 脱税の相談を持ちかけることは、税理士に対して「あなたも犯罪の共犯者になりなさい」と言っているのと同じです。プロフェッショナルとしての倫理観を無視した要求であり、その時点で信頼関係は完全に崩壊します。
  • 心構え:
    脱税と節税は全くの別物です。節税は合法的な知恵と工夫であり、脱税は犯罪です。税理士には、合法的な範囲での最大限の節税策を求めるべきであり、脱税の相談は論外です。

2. 「粉飾決算」を要求する

  • 概要:
    脱税とは逆に、銀行からの融資を引き出すことなどを目的に、会社の業績を実態よりも良く見せかけるために、決算書の数値を操作(粉飾)しようとする経営者。
  • 典型的な手口:
    • 「赤字決算だと銀行評価が下がるから、在庫の金額を100万円水増しして、黒字に見せてほしい」
    • 「売掛金が回収不能になっているが、貸倒損失として計上すると赤字になるから、そのまま資産として残しておいてほしい」
  • なぜ問題なのか?
    • 銀行を欺く詐欺行為: 粉飾決算によって融資を受けることは、金融機関に対する詐欺行為にあたる可能性があります。
    • 問題の先送り: 粉飾は、その場しのぎの麻薬のようなものです。一度手を染めると、翌期以降もさらに大きな粉飾を重ねないと辻褄が合わなくなり、最終的には破綻を招きます。
    • 税務署は静観する: 利益を多く見せかける粉飾は、結果的に納税額が増えるため、税務署は気づいても指摘しないケースがほとんどです。しかし、銀行や株主といった利害関係者を欺く行為であり、これもまた税理士としては加担できません。

3. 経理資料の管理が杜撰で「整理整頓」ができない

  • 概要:
    領収書や請求書、通帳のコピーといった経理資料が整理されておらず、提出を求めてもなかなか出てこない、あるいは紛失が多い経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 正確な会計処理ができない: 税理士は、提出された資料に基づいて会計処理を行います。資料が不十分であれば、正確な決算書を作成することは不可能です。
    • 税務リスクの増大: 証拠書類がなければ、経費として認められず、税務調査で否認されるリスクが高まります。
    • 税理士の業務効率の低下: 資料の整理や、内容の確認に多大な時間を要し、本来行うべき節税対策や経営アドバイスに時間を割けなくなります。
  • 心構え:
    会社の整理整頓状況は、経営者の管理能力を映す鏡です。業績の良い会社ほど、例外なく経理資料はきれいに整理されています。日頃から、資料を適切に整理・保管する体制を整えることは、経営の基本です。

4. 報酬の「支払い」が滞る、または支払わない

  • 概要:
    会社の資金繰りが厳しいなどの理由で、税理士への顧問料や決算料の支払いが遅れたり、滞納したりする経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 言うまでもなく、提供されたサービスに対する対価を支払わないことは、ビジネスの基本原則に反する行為です。
    • 一度支払いが滞る経営者は、その後も繰り返し滞納する傾向があり、税理士側も回収を諦め、最終的に顧問契約の解除に至るケースが少なくありません。
    • 税理士は、顧問先の懐事情を把握しているため、無理な取り立てはしにくいものです。その優しさに甘え、支払いを後回しにするような経営者とは、長期的な信頼関係は築けません。

5. 平然と「嘘」をつく、約束を守らない

  • 概要:
    売上や経費の内容について虚偽の説明をしたり、提出期限などの約束を守らなかったり、言っていることがコロコロ変わる経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 正しい経営判断ができない: 税理士は、経営者から提供される情報を基に、アドバイスや申告書の作成を行います。その情報が嘘であれば、全てが砂上の楼閣となります。
    • 人間としての信頼の喪失: 嘘や不誠実な態度は、ビジネスパートナーとしての信頼関係を根本から破壊します。

6. レスポンスが著しく「遅い」

  • 概要:
    税理士からの質問や確認事項に対して、何日も、あるいは何週間も返信がない経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 申告期限などのリスク: 税務には、様々な手続きに厳格な期限が設けられています。経営者からの返信が遅れることで、これらの期限に間に合わず、会社が不利益を被る可能性があります。
    • 業務の停滞: 経営者からの確認が取れないと、税理士は決算作業などを進めることができず、業務全体が停滞してしまいます。
  • 心構え:
    「忙しいから」は理由になりません。経営者であれば、優先順位を判断し、重要な連絡に対しては迅速に対応する責任があります。

7. 全てを「人のせい」にする(他責思考)

  • 概要:
    会社の業績が悪化したことや、税務調査で問題が指摘されたことなどを、全て「税理士が適切なアドバイスをしなかったからだ」といったように、他者の責任に転嫁する経営者。
  • なぜ問題なのか?
    • 経営者としての責任放棄: 会社の経営に関する最終的な意思決定責任は、全て経営者自身にあります。その責任を放棄し、外部の専門家に責任転嫁するような姿勢では、会社が成長するはずがありません。
    • 税務調査での裏切り: 税務調査の場で、調査官から厳しい指摘を受けた際に、「これは税理士が勝手にやったことだ」などと、保身のために税理士を裏切るような言動を取るケースも存在します。このような行為は、その場で信頼関係を完全に破壊し、税理士もその経営者を守ることはできなくなります。
  • 心構え:
    全ては自己責任。この意識を持つことが、経営者としての成長の第一歩です。税理士はあくまでサポート役であり、経営の主体は経営者自身です。

最強のパートナーシップを築く!税理士を120%活用する経営者の「姿勢」

では、逆に、税理士から「この社長のためなら、全力を尽くしたい」と思ってもらえるような、良好な関係を築くためには、経営者はどのような姿勢で臨めば良いのでしょうか。

1. 「受け身」ではなく「主体的」なコミュニケーション

  • 税理士業界は、伝統的に「受け身」の姿勢の事務所も少なくありません。経営者側から、積極的に質問・相談・要望を伝えることが、良好な関係のスタートラインです。
  • 契約時に要望を明確化する:
    • 契約を結ぶ前に、「毎月、試算表を基にした業績報告と経営分析をお願いしたい」「資金繰り改善の提案が欲しい」「活用できる節税策や補助金の情報を積極的に提供してほしい」など、自社が税理士に何を求めているのかを具体的に伝え、それが顧問料の範囲内で可能かを確認しましょう。
  • 定期的なミーティングを設ける:
    • 年に一度の決算時だけでなく、毎月あるいは四半期に一度など、定期的にミーティングの時間を設け、経営課題についてディスカッションする機会を作りましょう。

2. 経営の「パートナー」として尊重する

  • 税理士を、単なる記帳代行や申告書作成の下請け業者としてではなく、会社の未来を共に創る「パートナー」として尊重しましょう。
  • 自社のビジョンや目標を共有する:
    • 「将来、会社をこうしていきたい」「こんな夢を実現したい」といった、経営者の想いやビジョンを共有することで、税理士も単なる数字の処理だけでなく、その目標達成のために何ができるかを考えてくれるようになります。
  • 専門家としての意見に耳を傾ける:
    • 時には耳の痛い指摘や、望まないアドバイスをされることもあるかもしれません。しかし、それは会社のことを真剣に考えているからこそです。感情的にならず、専門家としての意見に真摯に耳を傾ける姿勢が重要です。

3. 「報・連・相」の徹底と、迅速な資料提供

  • 会社の経営状況に変化があった場合(大きな契約が取れた、主要な取引先を失ったなど)は、速やかに税理士に報告しましょう。
  • 領収書や請求書などの経理資料は、日頃から整理し、税理士から依頼された際には、期日を守って迅速に提出しましょう。
  • このような基本的な協力姿勢が、税理士の業務効率を高め、結果として自社へのより質の高いサービスに繋がります。

4. 健全な「緊張感」と「探究心」を持つ

  • 税理士に全てを丸投げするのではなく、経営者自身も、会計や税務に関する基本的な知識を学ぶ努力をしましょう。
  • 税理士からの報告内容に疑問があれば、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
  • 経営者のこのような探究心は、税理士にとっても良い刺激となり、より質の高いアドバイスを引き出すきっかけとなります。

5. セカンドオピニオンの活用も視野に入れる

  • 医療の世界と同様に、税理士の世界でもセカンドオピニオンは有効です。現在の顧問税理士との関係は維持しつつ、別の税理士に特定のテーマについて相談することで、新たな視点や解決策が見つかることもあります。
  • これは、顧問税理士を信頼していないということではなく、より良い経営判断を下すための、賢明な情報収集活動の一環です。

結論:税理士との関係性は、経営者が自ら「創り出す」もの

会社の成長は、経営者一人の力で成し遂げられるものではありません。そこには、従業員、取引先、金融機関、そして税理士といった、多くのパートナーとの良好な協力関係が不可欠です。

中でも税理士は、会社の最も機密性の高い「お金」の情報を共有し、経営の根幹に関わるアドバイスを提供する、極めて重要な存在です。

税理士との最強パートナーシップ構築の鉄則

  1. プロフェッショナルとして、互いを尊重し、誠実に対応する。
  2. 脱税や粉飾といった、不正行為の相談は絶対にしない。
  3. 経理資料を整理し、迅速な情報共有を心がける。
  4. 「受け身」ではなく、自ら積極的に質問・相談・要望を伝える。
  5. 税理士を、会社の未来を共に創る「パートナー」として信頼し、活用する。
  6. そして何よりも、経営者自身が、全ての経営責任は自分にあるという「自己責任」の意識を強く持つ。

「良い税理士に巡り会えない」と嘆く前に、まずは自分自身の税理士に対する姿勢や関わり方を見直してみてはいかがでしょうか。経営者が、税理士を最強のパートナーとして迎え入れる「覚悟」と「姿勢」を示すことができたとき、税理士もまた、その期待に応え、持てる知識と経験の全てを注いで、あなたの会社の成長を全力でサポートしてくれるはずです。

この記事が、皆様と税理士との関係をより良いものへと変え、事業の飛躍的な発展に繋がる一助となれば幸いです。