決算書の読み方と経営の重要性

節税・経費

決算書には大きく分けて、「貸借対照表」と「損益計算書」の2つがあります。貸借対照表は、会社の財政状態を表し、資産と負債のバランスを示しています。一方、損益計算書は、会社の経営成績を示し、売上、経費、利益、税金などの情報を提供します。会社の財務状態をしっかり把握するためには、この2つの書類をきちんと理解することが大切です。

まず、貸借対照表は会社の資産と負債のバランスを見るためのものです。右側には負債、左側には資産が記載されており、その合計が一致することで、会社の経営状態を客観的に判断できます。これにより、経営者は資産をどう運用すべきかの指針を得ることができ、会社の健全な経営につなげることができます。

次に、損益計算書は会社がどれだけの利益を上げているかを把握するためのものです。売上、経費、利益、税金などの情報が記載されており、利益が積み上がることで会社の純資産が増えていきます。つまり、利益を出すことが自己資本を増やす唯一の方法であり、会社の財務状況を改善するために重要です。

ただし、経営者が陥りやすい誤りとして、節税のために利益を減らすことがあります。これは一見良さそうに見えますが、会社に残るお金が減ることで資金繰りが苦しくなり、かえって経営を圧迫してしまいます。また、決算書を全く見ずに経営することもリスクです。決算書を読まないと会社の現状を正しく把握できず、誤った経営判断をしてしまう可能性が高くなります。

一方で、決算書をしっかり読むことで多くのメリットがあります。まず、会社の状態を把握することで、早めにリスクを発見し対策を講じることが可能になります。また、手元にどれだけの資金が必要かを明確にすることで、適切なタイミングで資金調達を行えるようになります。借金をすることで一時的に自己資本比率は下がるかもしれませんが、資金繰りが楽になることで経営の安定化につながります。さらに、銀行から融資を受けやすくするためにも決算書は重要です。銀行は過去の決算書を基に融資の可否を判断しますので、利益を出している会社は信頼されやすくなり、結果として融資を受けやすくなります。

また、決算書は経営戦略を見直すための基準にもなります。たとえば、売上が上がっていても利益が出ていない場合、ビジネスモデルに問題があるかもしれません。その場合、決算書を使って現状を分析し、ビジネスモデルの見直しを検討する必要があります。経営者は数字をしっかりと把握し、適切な経営判断を行うべきです。成功する経営者は常に数字に意識を向け、会社の状態を正確に把握しています。

それでは詳しく見ていきましょう。

1. 決算書の基本

  • 決算書とは
    中小企業や個人事業主は年に1回決算書を作成します。主に「貸借対照表(BS)」と「損益計算書(PL)」の2種類があります。貸借対照表は財政状態を示し、損益計算書は経営成績を示します。

2. 貸借対照表の重要性

  • 貸借対照表は資産と負債のバランスを示し、右側に負債、左側に資産が記載され、その合計が一致します。
  • 資産の運用方法を理解することで、経営の判断基準を得られます。

3. 損益計算書の役割

  • 売上、経費、利益、税金などの情報を提供します。
  • 利益が純資産に積み上がることで、会社の財務状況が改善され、自己資本を増やす唯一の方法が利益を出すことです。

4. 経営者が犯しがちな誤り

  • 節税の罠
    節税を目的に利益を減らすと会社に残るお金が減り、資金繰りが厳しくなります。税金を払わないために利益をゼロにすることは逆効果です。
  • 決算書を無視するリスク
    決算書を読まない経営者は会社の状態を把握できず、経営判断を誤り、資金繰りが厳しくなる可能性があります。

5. 決算書を読むメリット

  • リスク回避
    決算書を読むことで、会社の状態を把握しやすくなり、早期に問題を発見し対策を講じることができます。
  • 資金調達のタイミング
    必要な資金を明確にすることで適切な資金調達が可能になります。借金をすることで一時的に自己資本比率は下がりますが、資金繰りが楽になります。
  • 銀行からの融資を受けやすくする
    銀行は決算書を基に融資の可否を判断し、利益を出している会社は融資を受けやすくなります。

6. 経営戦略の見直し

  • ビジネスモデルの選択基準
    本業が利益を生んでいるかを決算書で判断し、売上が上がっても利益が出ていなければビジネスモデルの見直しが必要です。
  • 経営者の意識改革
    経営者は数字をしっかり把握して経営判断を行い、決算書を読むことで経営者としての責任を果たします。

7. 税理士との関係

  • 税理士の役割と限界
    税理士に任せきりにせず、自ら決算書を理解して会社の状況を把握することが必要です。