簿記知識が無い人がfreee会計を使った時に躓くポイントと解決策【個人事業主向け】

クラウド会計サービス

クラウド会計ソフトの中でも、freee会計は「簿記の知識がなくても使える」をコンセプトにしたサービスとして、多くの個人事業主に利用されています。しかし、簿記の基礎がないと、やはり操作に迷ってしまう部分もあるのが実情です。そこで今回は、簿記知識がない状態でfreee会計を使い始めたときに躓きやすいポイントと、解決策を具体的にご紹介します。


仕訳と勘定科目が分からない

■ 躓きポイント
簿記に馴染みがない人にとって、「仕訳」や「勘定科目」という言葉は馴染みが薄いものです。freeeでは取引を記録する際に仕訳が自動で行われるため、一見簡単に見えますが、勘定科目の設定を確認・修正する場面で困惑することがあります。例えば、「売上高」と「雑収入」、「交通費」と「旅費交通費」など、似たような項目がいくつかあり、どれを選ぶべきかがわかりにくいのです。

■ 解決策
freee会計では、取引登録時に「質問形式」で案内が出るので、これを積極的に活用してみてください。質問に沿って答えることで、勘定科目が自動設定され、簿記知識がなくてもスムーズに取引登録が行えます。また、freee公式のサポートページには「勘定科目ガイド」があるため、不明な勘定科目があれば確認すると役立ちます。


借方・貸方の概念が理解できない

■ 躓きポイント
簿記の基本である「借方・貸方」の概念は、初心者にとって非常にわかりにくい部分です。通常の会計ソフトでは、取引を記録する際に「借方」「貸方」を自分で設定する必要がありますが、freee会計は自動で仕訳を作成してくれるため、この部分の操作は基本的に不要です。しかし、帳簿を確認する際やレポートで「借方」「貸方」が表示されるため、その意味が分からず困惑することがあります。

■ 解決策
「借方・貸方」を完璧に理解する必要はありませんが、簡単に言うと「借方」はお金の出入り、「貸方」はその出入りの理由だと考えると、見方が少し楽になります。慣れるまでは、freeeの自動仕訳に任せ、あまり深く悩まずに進めていくことが大切です。確認したい場合は、freeeの「プレビュー機能」で全体の取引内容をざっくりと把握するようにしましょう。


消費税の設定がわからない

■ 躓きポイント
個人事業主でも消費税の対応が必要になることがありますが、消費税の設定や課税・非課税の区別は、簿記知識がないと非常に難しいです。freeeでは消費税の自動計算機能が搭載されているものの、入力時に「課税対象外」や「非課税」などの選択が出てきた際に、どれを選べばいいか迷う場面があります。

■ 解決策
消費税の設定については、基本的には課税の対象かどうかの判断が必要ですが、悩む場合はfreeeの質問形式に答え、適切な設定を進めていくのが無難です。また、消費税の仕組みが不安な場合は、freeeのサポートやヘルプページを参考にするのも良いでしょう。freee公式サイトの消費税ガイドは非常に役立つため、初めて消費税対応をする方はぜひチェックしてみてください。


銀行口座やクレジットカードの連携と自動仕訳の扱い方

■ 躓きポイント
freeeでは、銀行口座やクレジットカードを連携させることで、取引を自動で取得・仕訳することができます。便利な機能ですが、初心者には「未分類」の取引が大量に発生したり、どのように仕訳して良いか迷うケースが多いです。連携して自動で取得したデータがそのまま仕訳に反映されない場合、初心者には処理が難しい場合もあります。

■ 解決策
未分類の取引が発生した場合、freeeには「未分類取引」チェックリストがあり、すぐに確認・分類できます。初めての取引内容が出てきた場合は、freeeが提案する勘定科目を参考にしながら「この内容はこの勘定科目」と覚えておくと、次回からの処理がスムーズです。


決算書や確定申告の作成手順が分かりづらい

■ 躓きポイント
freeeでは、決算書や確定申告の書類を作成できますが、簿記の知識がないとそれぞれの書類がどのような意味を持つのか、またどの数字がどこに影響するのかがわかりにくいです。確定申告の際に入力する「貸借対照表」や「損益計算書」も、具体的に何を見てどのように確認すればよいかが不明瞭で、不安になることが多いでしょう。

■ 解決策
freeeの「確定申告モード」は、個人事業主の確定申告の手順をサポートしてくれるため、ガイドに沿って進めていくとミスが少なくなります。また、作成中にわからない箇所があれば、freee公式サイトの確定申告ガイドを確認したり、税理士や会計士に相談するサポートプランを利用するのも一つの方法です。


レポートや損益計算書の数字の意味がわからない

■ 躓きポイント
freeeには、月次レポートや損益計算書、資金繰りレポートなど、経営に役立つ情報がまとめられています。しかし、簿記の知識がないと各数字の意味がわかりにくく、事業改善に活用しにくい点があります。特に、損益計算書や貸借対照表の各項目の意味がわからないままだと、せっかくのデータを活用できません。

■ 解決策
初めのうちは「収支レポート」から始め、単純に「収入」「支出」を確認するところからスタートしましょう。損益計算書は事業の利益や経費、貸借対照表は資産と負債を示すものであるため、freeeのガイドを見ながら少しずつ内容を理解するようにすると良いでしょう。また、サポートセンターや専門家のアドバイスを受けるのも一つの方法です。


税務署への申告方法や必要書類の管理が不安

■ 躓きポイント
個人事業主にとって避けて通れないのが、税務署への確定申告です。freeeを使えば、確定申告書の作成も比較的簡単ですが、簿記知識がない場合は書類の確認や内容の最終チェックに不安が残ります。

■ 解決策
確定申告時にはfreeeの確定申告書作成ガイドに従って手続きを進めましょう。わからない項目があれば、税理士への相談や、税務署の無料相談を活用することも可能です。freeeでは必要書類を出力するためのガイドラインも整備されているため、一つずつ確認しながら作業するのがおすすめです。


まとめ

簿記知識がない状態でfreee会計を使うと、さまざまな場面で迷うことがあるかもしれません。しかし、freeeには初心者でも使いやすいように工夫された機能が豊富に揃っており、質問形式やサポートガイドを活用することで解決できることが多いです。また、個人事業主向けのヘルプページや専門家への相談サービスも利用しつつ、freee会計を業務に役立てていきましょう。